一つの取引パターンにおいて、中国の「企業会計準則」と「企業所得税法」では関連当事者に対する認定標準が異なるため、差異が生じることがある。中国の「企業会計準則」において規定されている関連当事者とは、(一︶一方当事者が他方当事者を支配または共同支配している、もしくは他方当事者に対して重大な影響を与える場合、あるいは (二︶両方当事者または両方当事者以上が同一の一方当事者より支配される、もしくは重大な影響を与えられる場合を指す。しかし「企業所得税法実施条例」において、関連当事者とは企業と以下の関連関係を持つ企業を指すと規定している。
・資金、経営、売買等の面で直接・間接的な支配関係を持つ
・直接・間接的に同一の第三者により支配され、且つ利益上に相互の関連関係を持つ
一、会計準則及び所得税法における関連当事者に対する解釈の違い
「企業会計準則第36号―関連当事者の開示」及び「特別納税調整実施弁法(試行)」では、列挙方式をもって関連当事者間関係の認定に対して解釈がなされている。会計準則が認定する関連当事者に対し、所得税法もすべて関連当事者として認定する。但し、会計準則が認定しない関連当事者に対し、所得税法上ではやはり関連当事者として認定される可能性がある。主には、右ページ下の五つの相違点がある。
会計準則においては、単に企業との大量取引によって経済依存関係がある一顧客、サプライヤー、フランチャイズ事業者、取次販売店または代理店は、関連当事者には属しないと特別に明記している。よって、これに類似
した取引対象があれば、関連当事者として認定するという所得税法の定めと明らかに異なっている。
二、関連取引の定義
「企業会計準則」においては、関連取引とは代金を受け取るか否かに関わらず、関連当事者間で資源、労務或いは義務が移転される行為を指すと規定している。一方「企業所得税法」では、企業及びその関連当事者の間の業務往来が独立取引原則に合致しないために企業又はその関連当事者の課税収入又は課税所得額が減少される場合、税務機関は合理的な方法で調整する権利を有すると規定している。
関連取引に対する解釈から見れば、会計準則は情報開示に重点を置き、実質性原則に従うものであるが、所得税法は公正に重点を置き、独立取引原則に従うものである。
三、関連取引の情報開示及び納税調整
「企業会計準則」は企業の財務諸表において、関連当事者関係及び取引関連情報をすべて開示しなければならないと規定している。企業は関連当事者と発生した取引について、注記に該当関連関係の性質、取引のタイプ及び取引の要素を開示しなければならない。会計準則は関連取引に対して、主に関連当事者間関係の形態、取引のタイプ及び関連情報の開示等の面で規範化を行ったが、その目的は財務諸表の使用者に完備の情報を提供するためである。よって関連当事者間の業務往来に対し、公正価値をもって財務諸表を調整することは要求されていない。
一方、所得税法は、納税者による関連当事者間での価格移転を防止するために、関連取引に対し制定された税務処理規定である独立価格比準法、原価基準法、取引単位営業利益法等に基づき、税務機関が納税発生年度より十年遡及して、独立取引原則に合致しない業務に対し合理的に納税調整を行う権利を有する、と明確に規定している。

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