外商は中国国内の株を購入する場合、株譲渡代金の支払いは中国国家外貨為替管理局が2003年に公布した「国家外貨為替管理局の外商直接投資に関する外貨管理を改善する問題の通知」に従うこととなる。外商が中国国内企業の株(外商投資企業、民営企業、国有企業等を含む)を購入する場合には、自ら若しくは譲渡方に委託して、譲渡方の企業所在地の外貨為替管理局に譲渡する外貨登記手続を行わなければならない。譲渡代金については、一括の支払いか分割の支払いかに拘わらず、とりあえず外貨指定銀行の臨時口座へ送金しなければならず、外貨為替管理局の決済批准を得た後、人民元の形で中国の株の譲渡方に支払うと規定されている。
しかし、2007年7月に、中国国家外貨為替管理局は「国家外貨為替管理局の国内機構又は個人の株式譲渡に関する外貨収入の保留についての返答」を発表し、譲渡代金の処理について新たな選択肢を追加した。具体的には、今後、外貨為替管理局の批准をもらえさえすれば、国内の譲渡方が資産換金専用の外貨口座を開くことができる。その規定によって、譲渡方は株式譲渡による外貨収入を為替決済せず、外貨のままで専用口座に預かることができるようになった。実際な流れとしては、外商が譲受方として譲渡代金を外貨指定銀行の臨時口座へ送金した後、譲渡方は外貨為替管理局に申請して資産換金専用の外貨口座を開く。そして、外貨指定銀行は入金した譲渡代金を臨時口座から譲渡方の資産換金専用の外貨口座へ移す。上述した方法によって、譲渡方は株式譲渡による外貨収入を為替決済せず、外貨のまま保留することができる。
上述した資産換金専用の外貨口座に関する政策は、中国政府が外貨預金の急増、人民元の値上がり等の問題を緩和するため打ち出した措置であるが、外商にとって資金運用が便利になる利点がある。下記の例を挙げてみる。
B社は親会社であるA社から大量の原料を仕入れ、A社に対して買掛金がある。A社とB社は共同投資でC社を設立し、それぞれC社の60%と40%の株を持っている。B社が自分の40%の持株を全部A社に譲渡する場合、従来の外貨為替管理規定によると、株式譲渡の外貨収入が資本項目に属し、買掛金が日常項目に属するべきであったから、その二つの外貨為替管理を混ぜずに、別々にしなければならないと規定した。つまり、中国政府は資本項目の外貨未収金を直接日常項目の外貨未払金を相殺することを禁止した。そのため、B社は株式譲渡による収入とA社に対する買掛金の支払いを相殺することができない。B社はまず外貨決済をし、そして再度外貨を購入する方法を取るしかないから、手続が煩雑であり、為替損失のおそれもある。万が一、A社が譲渡代金を一括で支払えない場合、外貨決済、外貨購入、外貨支払の手続を繰り返しなければならないから、更に煩雑な事態になり、かかる時間と為替決済のリスクも著しく増す。
問題を解決するため、B社は上述した外貨為替管理局の新規定を利用し、資産換金専用の外貨口座を開けば良い。A社は譲渡代金の一部をB社の資産換金専用の外貨口座へ送金する。そして、B社は当該口座から買掛金を直接A社に支払うことができる。その方法で、外貨決済と外貨購入を行わず、直接の外貨運用の操作ができるから、手続が便利であり、為替損失のリスクを下げることも可能である。
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