訴訟に勝っても債権を回収できない場合、このような訴訟は無意味なだけではなく、人力と財力を無駄にするばかりである。しかし、訴訟に勝っても債権を回収できないのは、外資系企業が中国でよく経験することである。現在の経済環境からみると、将来、企業間の代金に関する紛争が次々に発生することが予見できる。訴訟に勝った後、どのような有力な手段によって債権を回収するかが、全ての外資系企業にとって直面せざるを得ない共通問題になってきた。
二〇〇八年四月、全国人民代表大会常務委員会で「民事訴訟法」の改正が行われた。今回の改正では、主に判決発効後の執行プロセスを対象にし、加えて債権回収に有利で実行可能な条項を新たに多く盛り込んでいる。二〇〇八年十一月三日、最高人民法院は、「民事訴訟法」の執行プロセスに関する解釈を行い、判決後の執行規定について一層の細分化を図った。
上記の二つの法律に対する改正では、被執行人(債務者)の財産報告制度を規定した。即ち、法律裁決文書発効後、被執行人が自己債務の履行を拒否し、執行申請人が裁判所に強制執行を申請した場合、裁判所は被執行人に対し「財産報告令」を発行し、被執行人に対し、執行通知日より遡って一年間の財産状況を裁判所に虚偽なく報告するよう求める権利を有し、もって裁判所の執行プロセスの順調な履行に便宜を図るものである。債務を全て完済する前に、被執行人の財産状況に一旦変化が生じた場合でも、被執行人は速やかに財産変動状況を執行裁判所に報告しなければならない。被執行人が財産状況報告を行わない、或いは虚偽の報告を行なった場合、執行裁判所は、被執行人(自然人)及び被執行人(企業)の法定代表者、主要責任者等に対し、罰金或いは拘留の処罰を科すことができる。
また、執行期間中、執行申請人の書面申請により、執行裁判所は出入国管理機構に対し、債務履行に影響を及ぼす直接責任者の出国制限の強制措置を採るよう通知することができる。出国制限の対象者には、被執行人本人、或いは被執行人(企業)の法定代表者、主要責任者、財務人員等債務履行に影響を及ぼす直接責任者が含まれる。
その他、新法では、さらに債権回収に有利な以下のいくつかの規定が設けられている。
一、新規定において管轄権を有する裁判所の範囲が拡大されている。
元の第一審裁判所を執行裁判所とする他、被執行財産所在の裁判所も、執行申請人の申請を受理できるようにしている。それは、実務において、執行協力機構である銀行、不動産取引センター等が、他の地域にある裁判所の執行に対し、地元の裁判所ほどの協力をしていないからである。そのため、財産所在地にある裁判所にその管轄権を追加することで、判決後の執行
力を有効的に保障することができる。
二、通常、執行裁判所は執行申請を受けた後、まず被執行人に対し執行通知を発し、被執行人が関連義務の履行を拒否した場合、再度強制執行措置を取るようになっているが、新法では、被執行人が財産を隠匿、移転する可能性があると判断した場合、執行人は直ちに強制執行措置を採ることができ、さらにそれと同時に、強制執行措置を取った後の三日以内に、執行通
知を送付することができるようにしている。これは、被執行人に財産を移転する時間的余裕を与えないためである。
三、執行申請人からの申請を経て、執行裁判所は、被執行人が法律文書で定められている義務を履行していない情報を新聞、ラジオ、テレビ、インターネット等のメディアを通じて対外的に公表し、且つ公告費用を最終的に被執行人の負担とする。
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