一九四〇年代のオーストラリア。激動の時代に知り合った男と女は長旅を通じ次第に魅かれあっていく。壮大な自 然を舞台にしたエピック・アドベンチャー・ロマンスの大作がここに生まれた。
ミュージカル映画『ムーラン・ルージュ』で世界の名声を博したオーストラリアの名監督バズ・ラーマンが、エピック・ロマンスに挑戦したこの作品。ラーマン監督は「僕が子供の頃に夢中になったものといえば、ミュージカル、そして歴史大作だった」と語る。「平穏に生きる主人公が人生の転機を突如迎え、そこで人生において大切な何かをみつける。そんなストーリーにしたかったんだ」というラーマン監督は、オーストラリアを舞台に歴史映画を撮りたいと考え、テーマを探し始めたのだった。
誇るべき姿を世界へアピール
第二次大戦の混乱期、ニコール・キッドマン扮するサラ・アシュレイは、夫を探し求め遠くイングランドからオーストラリアに渡る。しかし知ったのは夫の死であった。その後、ヒュー・ジャックマン扮するカウボーイと出会い恋に落ちる。さらにアボリジニの少年との出会いが彼女の生き方を変えていくのだ。『オーストラリア』という題名のこの映画は、監督、主演俳優、女優がみなオーストラリア人というだけでなく、ロケも全てオーストラリアで行われた。観光局も約三十億に上る賛助をしており、世界の人々に作品を通じオーストラリアの自然、歴史、文化を知ってもらいと意気込んでいる。
なお、撮影中にキッドマンの妊娠が明らかになったが、ロケの際に立ち寄ったという神秘の泉と妊娠との関係を明かし、話題となった。キッドマンは六人の女性スタッフと共に水浴びをしたところ、驚く事に七人ともに妊娠するという「奇跡」が起こったというのだ。この奇跡にあやかろうと、多くのファンがこ
の神秘の泉を訪れているという。
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選び抜かれた役者たち
本作『オーストラリア』はオーストラリア版『風と共に去りぬ』とたとえられる。ラブシーンの連続についてキッドマンは「キスシーンは役柄上求められたわけだから。でもすっかり楽しめたわ」と笑いながら語った。というのもヒュー・ジャックマンは『ピープル』誌にて二〇〇八年の「最もセクシーな男性」に選出された今もっとも旬の男であるからだ。本作でもその鍛え上げられた肉体を披露している。またジャックマンはその甘いマスク、演技に止まらず、アカデミー賞の司会の大役に抜擢されるなど幅広い才能が認められている。
ニコール・キッドマン、ヒュー・ジャックマンの他、アボジリニと白人との混血児ナラを演じたブランドン・ウォルターズの演技が光る。当時の人種隔離政策により親元から離されたという難しい役柄であったが、撮影スタッフは内陸部でカメラテストを行い、百名に近い候補者のなかから天性の才能を持つ彼を選びだした。スクリーンでの彼の自然な演技を見て、初の映画出演とは到底信じられないだろう。
服飾へのこだわり
ブランドも協力
史実に忠実なストーリー展開のため、本作では約二千着の舞台衣装が作製された。キッドマンの乗馬パンツは「フェラガモ」、バッグは「プラダ」から提供されたものである。ヒュー・ジャックマンのカウボーイスタイルは、オーストラリアの名ブランド「アール・エム・ウィリアムス」、ハットは「アクブラ」である。
劇中のパーティーのシーンでは約六十着のパーティードレスがデザインされたという。キッドマンは鮮やかな赤のチャイナドレスを身にまとい登場する。既にこの時には妊娠していたはずのキッドマンだが、デザインの巧みさもあり、よりシャープに感じさせる。作品を通しオーストラリアの各地の景観を楽しめるだけでなく、名ブランドの逸品の数々が我々の目を楽しませてくれる。
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