昴月刊  
当期目次に戻る  
社長の話   財務-会計-法律の窓口   経済日報連載財務・法務コラム   每月ニュース フラッシュ   よい暮らし   総合生活情報
   
 
現地の美食
スターご用達の旬な味
ドラマ『金粉世家』、張愛玲の世界「福1088」
文/李玉珍 訳/吉成久枝

文学者張愛玲の作品中に登場する料理から、独自の「張愛玲の宴」を作った「福1088」。以前の上流階級の生活が再現されたこの店で、TVドラマ『金粉世家』の豪華絢爛な世界を体験できる。

上海っ子の盧懌明。まだ若いが、実は有名な旧洋館レストランのシェフだ。彼は仕事のために、結婚する暇もない。去年は「張愛玲の宴」の研究に、何ヶ月間も没頭した。

小説から考え出した
「張愛玲の宴」

張愛玲は上海と大変ゆかりのある作家だ。彼女がかつて住んだ家が、今や上海の有名観光スポットとなっている。去年、上海で著名な美食作家である沈宏非氏は張愛玲生誕八十八周年を記念して、彼女の作品に登場する料理を再現し「張愛玲の宴」を開いた。一テーブル十一席の座席に座った十名の客。感性豊かな彼らが、当日の主賓である張愛玲のためにひとつ席を空けておいたのだ。

宴席は張愛玲の外国の友人であるエリスのためのメニューが主で、他の作品中から各種デザートとおやつ。その中の「相見歓」(四品の軽食)は、彼女が一九四四年から一九四五年までの作品中にある「酒釀餅」(酒まんじゅう)、「糖炒栗子」(甘栗)、「松子糖」(松 の実キャンデイ)、「雲片糕」
(茶菓子)だ。「海上花」は四品の前菜で、「燻魚」(魚の燻製)、「素鵝」(豆腐料理)、「冷切牛舌」(牛タン)、「糖醋小排」(スペアリブの甘酢風)がある。主菜の「傾城之恋」は、「蝦仁吐司」(エビのトースト)、「荷葉粉蒸肉」(蒸し豚肉)、「貴妃雞」(鶏の照り焼き)、「合肥丸子」
(餅米だんご)、「茄汁魚球」(つみれのケチャップ風味)、「蒜蓉苋菜」(にんにくと青菜)の六品ある。「浮花浪蕊」はスープで、もとの名を「神仙
鴨子」という。主食の「半生縁」は、「蟹糊湯麺」(蟹タンメン)だ。点心の「桂花蒸」には二品あり、「生煎饅頭」(焼き豚まん)と「桂花拉糕」(金木犀餅)だ。デザート「沈香屑」は「栗子蛋糕」(マロンのケーキ)と「葡萄乾霜淇淋」(レーズンアイス)の二種。飲み物《金鎖記》中の「酸梅
湯」(梅ジュース)である。

張女史の好みで 
上海文化を描写

盧懌明は「張愛玲の宴」の準備のため、陳子善氏から受ける指導とは別に、すべての張愛玲作品を大量かつ快速に読破した。後に張愛玲の本に魅せられてしまう。「張愛玲は料理で女性を形容しています。湖南、広東の目が窪んだ細面の美人を糖醋排骨(スペアリブの甘酢炒め)とすれば、上海女性は粉蒸肉(蒸し豚肉)でしょう」まさにぴったりである。

「張愛玲の宴」の特製メニューには、どの料理にも、文字あるいは出処が注記されている。また作品の年代を十分研究している。「張愛玲の宴」は「福1088」の名を一躍有名にし、多くの文人を魅了し憧れの対象となった。
オーナーの伝亜芬さんはもともと家具愛好家で、数十年間かけて収集したアンティーク家具が「福1088」の各所に置かれ、老上海風情を醸し出している。ジャズ、往年のスター周璇のレコード、そして夜のピアノ演奏等を取り入れた「福1088」は、上海文化を覗き見ることのできる空間となっ
た。

シェフの力が十分発揮された
上海料理が主流

「福1088」は上海料理の専門店だ。盧懌明は新しさや珍しさを追求したり、地方の客に合わせ、味を変えようとは思わない。「味を変えてしまって、それで上海料理と言えますか?」彼は自信をもってこう語る。客の欲求に迎合することなどはもってのほかだ。「福1088」のシェフたちはどんな料理にも高いレベルで対応でき、常に新しいメニューの創作を続けている。

たとえば「上海氷糕」(アイスデザート)。「福1088」では昔の基本の味にブランデーを加え、今風のデザートに作り上げた。氷糕の口感はどこか
アイスクリームに似て、アイスクリームのような甘ったるさがない。ここの典型的上海料理「肉香溢紅燒肉」(豚の角煮)は、上海で最もおいしい豚肉の角煮の一つとされている。中華と西洋が融合した「蘋果子雞」(りんごと鶏肉)、「松茸豬扒」(マツタケ豚肉)なども、外国からの客人の舌を十分に満足させている。盛り付け、料理の組み合わせではシェフの力が十分に発揮されている。

老上海の富裕層居住地区に
昔の輝きを再現

「福1088」は、老上海の富裕層居住地区─長寧区的鎮寧路、愚園路一帯にあり、そこは「上只角」(高級住宅地)と呼ばれている。二棟のスペイン風三階建の古い洋館をレストランにした。そのうち一棟はオーナーの先代からのもので、かつて中国東北地方の張作霖将軍の財政部長だった祖父、方旭東のもの。隣は清朝官僚李鴻章の下の息子や、安徽実業家等の金持ちなど上流階級の住居だ。

「福1088」の入口には看板がなく、一見して一般の住宅だ。初めて訪れた客は、ここが有名な上海料理店であることに全く気づかないだろう。乳白色の漆くいでできた壁は老朽化し、長い年月の痕跡が見て取れる。半円形のドアの裝飾は螺旋形の柱で、スペイン式建築の面影がある。足を一歩踏み入れると豊富な収蔵品が目に飛び込み、そこはまるで博物館のようだ。上海アンティーク家具には、八仙桌、ヨーロッパ式暖炉、水晶のシャンデリア、古董花瓶、昔風ソファーなどがあ
る。これらの調度品も、客人を香港ドラマ《金粉世家》の世界に引き入れてくれる。

上流階級の料理が味わえる
美食の宴

現代飲食文化とは、食物そのものと食事環境、そして雰囲気、サービス、レストランの歴史背景、テーブル、建物の建築設計等、すべてが重要な要素だ。盧懌明はこう分析する。レストラン成功の鍵は、三〇%から四〇%が料理、それから酒、サービス、環境だ。

「福1088」はすべてが個室だ。高級なビジネス宴会に力を入れており、二、三人の個室から、十七、十八人を収容できる大部屋がある。また、元の住居のリビングを半分開放した形の客室は、客の人数に応じテーブル数を増減できる。十八の個室は、合計で最多二百六十人を収容できる。「福1088」は、個室と気のきいたサービスで往時の金持ちの暮らしを再現し、ここで客は人気ドラマ『金粉世家』の華麗で優雅な雰囲気を十分に堪能することができる。

国際化の先駆け
中欧国際工商学院EMBA
ドラマ『金粉世家』、張愛玲の世界
「福1088」
山菜を楽しもう
ユネスコの世界遺産 「知床半島」


 電子報  I  人才招募  I  聯絡我們