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故郷の美景
山菜を楽しもう
文/森沢薫

野菜や魚、肉などの食材は国により、調理の方法や味付けが違うため、イタリア料理になったり、中国料理になったり、インド料理なったりする。しかし、山菜を使って料理をするのは、日本以外の国には真似ができないかもしれない。私が山菜料理を食べた時の感想だった。

山菜とは、山野に自生し、食用とする植物の事を指す。通常栽培はされず、自生しているものを取って料理をするのが山菜料理だと思う。いわゆる野菜として栽培されているものは、人類が美味しい物を食べたいため、長年品種改良などの工夫をし、味がよくなり、集荷量も多くなる。それに対して野生植物の山菜は、ありのままの味と季節の変化の影響で、中々食材として、流通化できない存在である。(注・人工栽培の技術の進歩により、近年、野生の山菜が採れなくても、山菜の入
手が一年中可能になった) あまり国際的に注目されていないような「山菜」は、実に日本料理の中の宝物だと私は思う。また、山菜料理が嫌い!という日本人にまず会ったことがない。

「山菜料理」を食べたいなら、まず山菜採りから始める。この山菜採りがなかなか難しい。見分ける事ができないなら、毒のある植物を食べて食中毒になる可能性がある。知らないうちに、他人の山に入り、山菜を採ったら、窃盗行為になる。季節や自然の知識がない人なら、山の中で遭難する危険がある。いくつか注意しなければいけないポイントを挙げたら、「山菜」の貴重さを段々分かって来ただろう?ただの雑草ではない。最近、健康食への関心
が高まるにつれ、山菜が注目され、「山菜アドバイザー」まで出来た。きっと近い将来、山菜が国際的に知名度が高くなる日が来るだろう。

食材の確保より、食べる事に興味が高いのは私だけではないと思うから、食べる事について話をしよう。一般的に春になると、山菜料理が料理屋のメニュで「旬の一品」としてよく見かけられる。勿論、一年中様々な山菜がある。でもなぜか山菜といったら、春のイメージが強い。俳句の季語にも山菜があるほど山菜といえば春!だから、今回は春の山菜料理について、語ってみよう。

何人かに「一番好きな食べ方とは?」と聞いてみた、やはり「てんぷら」が上位になった。独活(うど)、たらの芽、ふきのとうなどの天ぷらは絶品である。あの苦味、あの香りがたまらない。なんといっても大人の味だ。また、日本酒が好きな方なら、最高のおつまみとも言えるだろう。
 
日本人の心に、お袋の味の和え物、煮物は何処の高級料亭にも負けない。そのお袋の味により、山菜を使った数多くの料理がある。うどの酢味噌和え、うどの皮のきんぴら、こごみの胡麻和え、セリの白和え、セリのおひたし、つくしの佃煮、わらびのおひたし、ふきの青煮、きのこの水煮、山菜の炊き込みご飯などなど。もう涎が出てきそう。どこかで食べさせてくれるところがないかなぁ。

最近、若い人たちも山菜に興味を持つようになってきたようで、そのためテレビや雑誌など山菜料理のレシピが少しづつ紹介されていて、目立ってきたと感じている。例えば、炊き込みご飯より、山菜ピラフの方が評判がよい。おひたしより、サラダ風の方が受けがよい。白和えやゴマ和えより、マヨネーズ和えが人気である。時代によって、食に対する好みが変るのは事実で、好んで山菜を食べる人が減らないことはうれしい事だ。

一見地味に見える「山菜料理」だが、自然のエネルギーをたっぷり含み、四季を味わうことが出来る魅力は昔も今も変らない。また、山菜を使って料理をすることによって、「日本的」、「日本風」「日本っぽい」というイメージを深く現す事が出来ると私は強く感じた。いつか、山菜料理が国際会議の会食の席で主役になる日が来るかもしれない。

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