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法律三部
執業弁護士
全芸

  やさしい法律入門
売掛金に質権を設定する実務についての分析
文/全芸

二〇〇七年の『物権法』において初めて売掛金が権利質権を設定できる目的物になれることが明確化され、さらに中国人民銀行も「売掛金の質権設定に関する登記弁法」という同法に附属する措置を発布した。これによって、企業は売掛金の質権設定を利用して、資金を早めに回収することで、債権の実現を保証できるほかに、資金運用の効率を引き上げることもできる。

一、売掛金の質権設定に関する定義
売掛金の質権設定とは、債権者の債権回収の担保として債務者が登記で特定債務者の売掛金に質権を設定し、債務者が債務不履行の場合、債権者は法によって当該売掛金売却後の資金を優先的に獲得することができる。右図は通常の売掛金に質権を設定する方式である。

また、販売、賃貸或いは役務提供により発生した売掛金はすべて質権設定の目的物とすることができる。売掛金の質権設定の成立後、企業(債権者)は優先に弁済を受ける権利および追及する権利を有する。つまり、質権者が質権を実現するときに、売掛金に質権を設定した債務者が履行を拒否した場合、質権者は、質権設定者と質権を設定した売掛金の債務者を起訴することができるが、単独で債権に質権を設定した債務者をも起訴することができる。

二、売掛金の質権設定に関する登記
中国本土では、売掛金の質権設定につき登記により発効する制度が実施されている。よって、債権者は必ず中国人民銀行信
用センターにて質権設定の登記手続きを行わなければならない。さもなければ、質権設定は法的効力を生じない。

三、売掛金の質権設定に関する注意事項
質権を設定した売掛金の担保役割を確保するために、企業は売掛金の質権設定を受ける時に、以下のポイントを注意すべきで
ある。

1.質権を設定する売掛金の有効性と適法性を厳しく審査すること
債権者の債務回収の実現は売掛金の有効性と適法性に影響される。例えば、二年間の訴訟時効内であるか、売掛金の発生が適法であるかを確認すること。ギャンブル、密輸などの違法行為による売掛金には質権を設定することができない。

2.売掛金債務者への通知
中国の法的規定によると、たとえ質権設定者が債務人に知らせなくても、その質権設定は依然として有効であると定められた。しかし、通知義務の履行は、債務者が事情を知らないうちに質権設定者に完済するのを防ぎ、質権者の権利を確保することができる。

3.売掛金における各項目の内容の明記
売掛金は権利証憑を持たない一般の債権であるため、企業は公示システムにて登記する時に、売掛金の金額、期限、債務者
氏名、支払方式、該当インボイス番号などの内容をできる限り詳しく記入すべきである。これによって、売掛金の真偽を判断できないため、質権の効力に影響がでることを回避できる。

4.質権設定者の名称変更に注意
売掛金の質権設定登記を行った後、質権設定者の名称に変更があった場合、質権者はその変更日より四ヵ月以内に登記変更手続きをすること。当該期間内に変更手続きが行われない場合、質権設定登記が失効となる。

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