新企業所得税法が二〇〇八年の一月から施行された後、外資系企業が中国で適用できる税収優遇政策がほとんどなくなった。多くの外資系企業にとっては、適用できる政策が二つしか残っていない(*1)。それは「環境保護、省エネ、安全」に貢献できる設備を購入する場合には税控除できるという政策、及び認定されたハイテク企業に対して企業所得税の一〇%分が削減できる政策(一般企業の所得税率は二五%であるが、ハイテク企業と認定された後は、税率一五%となる)である。
財政部、国家税務総局、国家発展改革委員会(発改委)が二〇〇八年八月二十日に「環境保護専用設備」、「省エネ・節水専用設備」、「安全生産専用設備」という三つの税控除できる設備目録を公布した。これに対して、まず、外資系企業は二〇〇八年以降購入した設備が目録の範囲内にあるか否かを確認すべきである。なぜならば、設備が目録範囲内にあった場合、申請により当年度の納付すべき所得税から設備金額の一〇%を控除することができるからである。たとえば、ある外資系企業は今年五百万元の企業所得税を納付する必要があるが、当年度千万元の上述目録に合致する設備を購入した場合には、所得税を百万元控除することができる。つまり、最終的には四百万元の所得税のみ納付すればよい。さらに当年度全額控除しきれない部分については、当年度以降の五年間は引き続き控除可能である。
そして「環境保護、省エネ、安全」に関わる設備を生産する外資系企業は、自社製の設備が今回公布した目録に適用できるか否かを調査した方がよい。その上で自社販売の設備が当局の税金控除範囲内であることを確認できれば、積極的に取引先へ伝えたり、それをセールス及び業務上のアピールポイントにしたりできるからだ。
「ハイテク企業認定」は今、多くの外資系企業が申請できるよう努力している優遇政策である。現在、各地でハイテク企業認定の申請を認める期限は異なっている。各省及び直轄市が独自に当年度のハイテク企業認定の申請を受け付ける期限を規定するので、締切日を過ぎたらまた一年を待たなければならない。また、外資系企業がハイテク企業認定を申請する時、以下に掲げる事項に特に留意しなければならない。
一、ハイテク企業の認定は内資系企業または外資系企業を区別しない。よって外資系企業がハイテク企業を申請できないということはない。
二、二〇〇八年より、ハイテク企業認定は省或いは直轄市レベルの科学技術管理委員会、財政局及び税務局が共同して認定するようになったが、事実上はやはり科学技術管理委員会が主導する。財政局又は税務局はハイテク企業の認定により生じる税収上の影響があるため、審査認可の件数へのコントロールのみを行う。
三、中国国内における研究開発費が全研究開発費の六〇%以上を占めなければならない、或いは売上収入において研究開発費がある程度以上の割合を占めなければならないという規定に関して、その中の「研究開発費」は企業が自ら会計科目において定義することができる。よって「技術開発費」とは異なる。「技術開発費」は科学委員会においてプロジェクトの立ち上げを経て、税務局に届出するという流れである。また、「技術開発費」は実際発生額を課税所得から控除する上で、さらに、実際発生額の五〇%を課税所得から追加的に控除することができる。
四、人員資格上の要求は新旧ハイテク企業認定上の最大の相違点である。現在、外資系企業がハイテク企業認定を申請する際に満たすべき申請条件の中で最も困難なものでもある。というのは、研究開発に従事する従業員が企業の全従業員の一〇%以上を占めなければならない。そして、短大以上の学歴を有する技術者が企業の全従業員の三〇%以上を占めなければならない。言い換えれば、労働集約型企業にとっては、ハイテク企業認定の申請は難しくなっている。
注*1:この他にも特定の企業に対しては、ソフトウェア企業認定」による税収優遇政策もあるので、そちらに関しては今月号の「知っておきたい法律」セクションを参照してください。
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