中国の中央政府と地方政府は「国税」に対し比率配分を行っている。つまり、地方政府が国税収入をある程度の比率で保留することが許されるのである。地方政府は地方のインフラ設備投資以外にも、「財政還付」もしくは「財政補助」の形で、外資系企業に中国法律に定める各種の優遇政策を提供することができる。
例を挙げると、以前、企業所得税が「二免三減半」を享受できた時期には、多くの外資系企業が同時に地方政府の承諾した「三免四減半」、「五免五減半」及びそれ以上の税制優遇策を享受することができた。これを見ても、外資系企業が実際に享受しているのは中央政府の「先に徴収、後で還付」制度と地方政府の「地方財政還付」制度が一体化した優遇政策である。つまり、外資系企業はまず「二免三減半」によって納税し、その上で地方政府が地方財政予算によって定められた税収優遇条件を外資系企業に提供する。
地方財政補助は、外資系企業が中国に投資する過程において頻繁に受けられるものであり、外資系企業が投資コストを減らす非常に肝心なポイントでもある。土地価格は最も良い実例である。多くの人には、中央政府がある地区の工業用土地の価格が二十万人民元/畝を下回れないと明確に公表されているにもかかわらず、外資系企業が十五万人民元/畝で成約していた事が理解できなかった。しかしそれは、上述の「先に徴収、後で還付」の理屈と同じで、企業が二十万人民元を支払った後、地方政府が財政収入から企業に五万人民元を返還していたのである。
上海では、地方財政補助の運用を極めて徹底的にしており、地方財政補助を、企業投資を誘致するための政策として使っている。上海の最も基礎となる行政区域である「街道」をとってみれば、ほとんどの「街道」が当該区域に登録した企業に対し、程度こそ異なるが税還付補助を行っている。
例えば、静安区の静安寺街道では、静安区産業ガイドライン政策(不動産開発、不動産管理、国内外販売業、リース業など) に当てはまり、実際の年間納税額(営業税、増値税、企業所得税を含む)が三万人民元の基準に達した新規登録企業は、三万~三十万人民元、三十万~八十万人民元、八十万人民元以上という三つの年間納税額クラスに分けられ、各クラス内の街道による税還付優遇を得ることができる。
静安寺街道にある年間納税額八十万元を超える企業は、企業所得税につき二〇%、増値税につき一二・五%、営業税につき三〇%の比率に基づき、毎年の税還付を得ることができる。
地方財政補助は、各地方政府機関の至る所に存在している。特に上場指導弁公室(上場弁)、科学委員会(科委)、経済貿易局及び経済委員会(経委)、或いは省エネ専属弁公室などの機関は各自独立した予算を持っており、財政補助を行うことができる。
昆山を例にすれば、昆山市政府は中国国内のA株市場或いは創業ボードに上場する企業に対し、会社形態の変更後に百万人民元の補助金を出し、資料を証券監督管理委員会に送付した後、再び百万人民元の補助金を出し、審査通過後には、三百万人民元の奨励金を出す。ならびに上場後の資金募集によって生まれた利益に対しては、更に税収優遇などを提供するのだ。これらの上場に対する財政補助政策が、多くの人が昆山市で上場すれば、お金の節約だけにとどまらず、お金を儲けることもできる、と笑い話にする理由である。
なお地方財政補助においてよく見られるのは利子補給政策である。つまり、企業が銀行に借入れを行う際、地方政府の要求を満たす場合において、その利子は地方政府から全額或いは定められた比率で補助される。また「技術先進型サービス企業」は国務院が配布した「サービスアウトソーシング産業の発展促進に関する返答書」に応えるものである。目下、上海、蘇州、無錫などの都市には、基準が異なる財政補助政策が存在する。
この他、ハイテク商品の開発に成功した企業や、操業停止を不況対策に用い人員削減を避ける企業への補助、新型壁材料に対する補助政策、国際市場開拓資金に対する補助などの地方財政補助は、いずれも外資系企業が取得に努めるべきものである。 |