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社長の話
誰のせい?
フレンドリーグループ 代表取締役 劉芳榮

私の母は徹底的な倹約家です。子供のころ、夏の夜には、彼女はふとんを抱え私の部屋に来て、床に寝ていました。クーラー一台分、一晩分の電気が節約できるというのが母の論理でした。ところが親戚や友人には、自分だけ悠々とベッドで寝て母親を床に寝させるなんて人として恥ずかしい、親不孝者だ、と思われてしまいました。母はこんなことになるとは思っていなかったでしょう。

企業にも同様のことが少なからずあります。ある会社のケースですが、社長が多くの関税を払っていたのに心を痛め、関税担当者は自ら輸入設備の価値を少なく申告して輸入に伴う関税や付加価値税を節税しました。その結果、確かに支払った税金こそ少なくなったものの、社長は脱税と密輸の疑いで税関密輸犯罪調査局に何か月も拘留されて
しまいました。でもこの関税担当者を責めるのはかわいそうかもしれません。というのは彼女自身は何の利益も得ていません。そもそもは社長のためにしようとしたことで、節税のやり方が悪かったが故に社長に悪い結果となっただけのことではないかと。

社員が正確な税務知識を持たず、過少申告の重大性を知らなかったのは誰のせいでしょうか。中国の古典に「養子不教父之過―子を養いて教えざるは父の過ちなり」という言葉があります。企業で社長は父親のようなものです。社員が税法や法律を知らないのは誰のせいかとなれば、答えは当然社長のせいなのです。先の社長は税関業務についての法律教育を重視し、そして担当者は思いついた節税策が逆に社長の牢獄送りになってしまうと早くから分かっていれば、過少申告などしなかったと思うのです。

最近は当社の法律部門でも資金回収がらみの裁判を取り扱うケースが激増しています。昨年にも申し上げましたが、二〇〇九年は代金回収紛糾の問題が次々と起こるでしょう。ここで私より注意を喚起させていただきます。資金回収に問題が起きたら、まず営業担当者の所へ行ってください。財務部門でもなく法務部門でもありません。それは営業スタッフこそ防御の第一線になるからです。しかし御社では、資金回収の基本的な法的知識・能力を営業部門で養成しているでしょうか。万一相手が払わなくなったら営業はどうしたらいいのか、教えているでしょうか。会社として営業担当者に法律知識を学ばせていないなら、回収できなくなったとしても不思議はありません。

昨年第4四半期からの金融危機でまず注文が減り、続いて資金回収の問題となり、各企業は一元でも多く回収しようとしています。しかし今度回収不能になったとしても、営業のせいにしないでください。営業部門の法律知識を養成しなかった社長のせいです。

ですから、母が床に寝ていたのも私のせいなのです。節約できるところは節約して、節約不要のところは節約しなくてもいいと母に言うべきだったのです。母が節約した電気代より、私が落とした評判や感じた罪悪感のほうがはるかに大きかったのです。母にはどんどんクーラーを使い、自分のベッドで寝てもらいたいものです。




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