国務院は二〇〇九年三月八日に常務会議を開催し、上海市と広東省の広州市、深セン市、珠海市、東莞市の五市で、対外貿易での人民元建て決済を試験的にスタートすることを決定した。これにより、これまで国境地域での貿易に限定されていた人民元建て決済が、一般の対外貿易にまで拡大されたことになる。
この会議によると、国際金融危機に直面した現在の情勢下で対外貿易での人民元建て決済を実施することは、中国と周辺国・地域との経済貿易関係の発展を推進し、為替レートのリスクを避け、貿易環境を改善し、対外貿易の安定した成長を維持する上で、重要な意義があることだという。
人民元が国際決済業務に使用されるようになると、輸出入企業による人民元建ての価格計算や決済、中国国内居住者から中国国外居住者への人民元での支払いなどが認められることになる。また国外居住者が人民元建て預金通帳をもち、国際決済を行うことも認められるようになる。人民元の完全自由両替の実現や段階的国際化に向けた重要なプロセスとして、対外貿易での人民元建て決済テスト事業は注目を集めている。
国際金融危機の発生により、国際貿易で最もよく使用される米ドルとユーロの為替レートが激動し、世界経済の鈍化ともあいまって貿易融資は大きな打撃を受けた。貿易ニーズもレートの激動と貿易融資の減少によるマイナス影響を受けた。米ドルとユーロの為替レートが激動する中で、中国企業とその貿易相手国の企業とは、価格が相対的に安定した人民元建てで価格計算や決済を行い、米ドル・ユーロ建て決済における為替レートのリスクを避けたいと願っている。 |