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新映画紹介
謎の数列の意味を解いて 地球滅亡の危機を救え
『ノウイング』
文/米瑞克 写真提供/龍祥 訳/駒田英

SF、アクション、親子の絆など、様々な要素が盛りこまれている話題作『ノウイング』。ニコラス・ケイジ演じる物理学者が、地球滅亡を阻止しようと立ち上がるこの作品、スリル満点のストーリー展開は目が離せないが、クライマックスはさらに意外である。また本作は近年の映画では珍しく、男女のラブストーリーは描かれず、その代わりにシングルファザーの父と息子との親子愛が描かれている。こうした部分もニコラス・ケイジがこの役を引き受けた理由のひとつと言われている。

50年前一人の少女がメモに書きなぐった数列。その後、息子を通じこのメモを手に入れた物理学者は、メモに書かれた数列が数々の災害を予言していたことを知り、地球の滅亡を阻止するために立ち上がるのである。

製作のジェイソン・ブルメンタルは8年の時間をかけ脚本を完成させ、『アイ、ロボット』のアレックス・プロヤスに監督を依頼、名優ニコラス・ケイジを主役に起用した。本作中に父子の愛情というテーマが描かれていることについては、この8年の間にブルメンタル自身が二児の父となったことも関係しているのではないだろうか。

感動の親子愛
この1年、ニコラス・ケイジが出演した『NEXT ー ネクストー 』『バンコク・デンジャラス』の両作は、ともに興行的に成功せず、一部では人気の陰りを指摘する声もあった。しかし本作『ノウイング』は全米初登場一位に輝き、すでに興業収入2500万米ドルの大ヒットとなった。オスカー俳優の面目躍如といえるだろう。

ニコラス・ケイジは取材の際、シングルファザーの父と子の絆には心動かされ、共感できるものがあり、これは出演を決める大きなきっかけであったといい、また陳腐なラブストーリーがないのも逆に新鮮で良かった、と語った。

一方で監督のアレックス・プロヤスは、そのニコラス・ケイジについて賞賛を惜しまない。「彼は人間の内面の傷や暗部を表現することに非常に長けており、いつか組みたいとずっと考えていた。今回その願いがかないSFスリラーを撮る事になったけれど、やはり思った通りだったよ。」

本作で物理学者を演じることとなったニコラス・ケイジだが、実は彼の父親もまた学者であった。彼は苦笑いを浮かべながら「父親との関係を思い出しながら演じていたよ」と語った。彼の父とはオーガスト・コッポラ。『ゴッドファーザー』等で知られる名監督フランシス・コッポラの兄である。オーガストは比較文学の学者で、サンフランシスコ大学芸術学部で学部長を務めた米学術界で著名な学者である。

どこまでもリアルな
特撮シーン

作中でニコラス・ケイジは父との間に理解しあえないわだかまりを抱え、また子とも距離のある一人の男を演じている。しかし、彼と父オーガストの関係はいたって良好なようだ。

オーガストがサンフランシスコ大学を退任する際、大学側は記念に彼の名をつけた劇場を建立した。ニコラス・ケイジは劇場の落成式に参加し、親子でこのすばらしい瞬間に立ち会ったのであった。本作で、シングルファザーかつ大学教授という役を演じたニコラス・ケイジは、感慨深かったと明かす。「この作品で、僕は父の仕事であった学者という役を演じ、かつ父とも子とも関係に問題のあるシングルファザーを演じた。父と子の関係について、あらためて深く考えたよ」

親と子の絆のほか、『ノウイング』の壮絶なVFXシーンも注目だ。飛行機が爆発する場面や飛行機の墜落場面は、まるで自分がそこで体感しているようなリアルさである。

また本作はハリウッド作品で初めて、高性能カメラ「RedOne」で撮影された長編映画である。「ニューヨーク地下鉄の衝突」や「マサチューセッツ州の航空機事故」などのシーンは、予告編を見るだけでも目をそむけたくなるほどだ。なお、本作の舞台は米ボストンだが、撮影はオーストラリアのメルボルンで行われたという。

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