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上 海新天地の石庫門建築「透明思考」(TMSK)レストランは、外観のデザインから内装に至るまですべてに中国瑠璃の趣が漂い、「中国瑠璃工房」とも言える。隣にある瑠璃展示ルームより、むしろレストランの方が「中国瑠璃工房」の芸術的創作とその実用性を語っている。これからその独特な内部を案内し、「透明思考」について詳しくご紹介しよう。
中国瑠璃と光が織りなす世界
瑠璃と光とは切っても切れない関係にある。光線が当たってこそ、瑠璃は色が変化し輝きを更に増すものだが、「透明思考」の室内デザインは琉璃と光線両者の相互作用を究極まで高めている。石庫門の窓に透明な黄金色の瑠璃をはめつけ、夕陽の残照が瑠璃を透けて七色の輝きを作り出している。特別なのは、夜の暗さの中、凝ったデザインの灯りがあちこちの瑠璃芸術品に注がれ、屈折した光が何とも艶やかだ。まばゆく透き通った、色とりどりの瑠璃装飾が暗闇の空間に浮遊しているように見え、それが夢なのか現実なのかわからないくらい美しい。
一階のバーに入り、まず目を奪われるのが芸術総監督である楊恵姗さんデザインのカウンターだ。中国瑠璃でできた龍の模様のタイルが1,000あまり、丸い形にデザインされた鯰の装飾のカウンター、それらに照明が当たる。これは「いつも余裕がある」ことを表し、カウンター上方から垂れ下がる。きちんと並んだ中国瑠璃作品は「次第に上昇する」ことを意味している。カウンター前の大きな赤提灯型椅子の面にある花の彫刻、そこにはめられた瑠璃が光に映し出され煌いている。
中国瑠璃の精霊が至る所に
レストラン内は隅々まで瑠璃にあふれ、階段脇の有名な『瑠璃製蘭の花の池』は、青い水底に光が当たりきらきら光っていた。2階レストラン大ホールの天井はドーム型で、瑠璃のタイルが一枚一枚貼り付けられている。夜、照明が灯されると、天井から屈折した光の芸術が映し出され壮観だ。VIPルームでは背もたれの高い椅子に、同じく色鮮やかな瑠理がちりばめられている。最も特別なのは男女トイレ内の洗面台デザインで、それぞれ蓮の花と葉の形に作られ、センサー設計でレンコンから水が湧き出でている。便座の上までも金メッキの柄で装飾され、その個性が印象に残る。
実際、「透明思考」は「瑠璃工房」の別系列ブランドで、レストランの他に工芸食器も手がけ、瑠璃を食器に取り入れた。独特な瑠璃製造技術が充分に発揮されており、燭台、グラス、茶具、茶碗、皿等をデザインし、どの製品にも工夫がなされている。これらは国内外からの客に、特に喜ばれているものだ。
工芸と美食の結びつき
瑠璃の輝きを損なわないよう、チーフコックの林家順は食材について考え抜く。料理は創作料理が主で、季節によっては新メニューも出す。瑠璃の芸術を広めようと、新しいメニューが決まった後は、その料理に合った食器の研究も必要だ。このような作業が「瑠璃工房」中央キッチン内で繰り返されている。
新天地の観光スポットにある「透明思考」は、中華、西洋料理が中心だ。マネージャーの張毅氏が「龍蝦炒飯」(ロブスターチャーハン)を頑固に推したオープン当初、それが何故なのか林家順には理解できなかった。屋台でもどこにでもあるチャーハンが、この新天地観光街で売れるのか?結局、このチャーハンは意外に好評で店の看板料理になった。チャーハンの「質」と「価値」を高めるため、「透明思考」では一人200元以上の「龍蝦炒飯」(ロブスターチャーハン)と「鮑魚龍蝦炒飯」(あわびロブスターチャーハン)を出している。新鮮なロブスターを丸ごと1匹使ったことで、チャーハンの価値観がぐんと高まった。
料理の作業に基準を定め、品質を確保
ステーキ料理もかなりの人気だ。マトンステーキには伝統的香辛料のローズマリーを使わず、珍しい組み合わせのクミンを使用した。このクミンも凝っており、古いクミンは苦味があるので、新鮮なクミンでマトンの真の味を引き出し、洋風マトンステーキに新しい風味を加えた。この他、「乾扁蝦紅焖滷肉飯」(えび肉ごはん)、「一品牛肉麵」(牛肉めん)、「手工鮮蝦酢醬麵」(手作りえび味噌炒めそば)等といった人気ランチもある。
特筆すべきは、筆者の取材後、このレストランのキッチンで初めてS.O.P.(標準作業手順書)が実施されたことだ。林家順は「どの料理にも一定品質を維持させるためです。張毅氏の要求で、すべての料理に調理作業過程カード、レシピを用意し、従業員も基準に基づいて調理します。」と話す。これで、チーフコック不在のために味が変ってしまったり、コックの機嫌が悪くいつもと違う味になるということはなくなり、客の「美味いものを食べる権利」がしっかり守られる。
新天地と同じ気分に酔う
ここ新天地という場所は、特に美酒が似合う。瑠璃に囲まれた食事の他、屋外テーブルに出て、金魚鉢ほどの器に入ったカクテル「椰林飄香」(ココナッツの香り)をいただく。あるいは蘭の池のほとりにあるベンチで、水や光を鑑賞する。随所に見られる違った趣の中、瑠璃が醸し出すロマンに浸ってみてはいかがだろうか。
また「透明思考」はコストを惜しまず専属バンドを呼んで曲を自作させて、ミュージシャンを育てた。これがTMSK(TMSK ENSEMBLE)という名の中国民族楽団である。毎晩9時の開演で、評弾、昆曲といった中国の芝居や民族音楽を演奏する。新しいアレンジの中国伝統衣装を身につけた女性団員は、舞台化粧のメークアップをしている。中国蘇州地方独特の柔らかな口調、暗い照明、美しいリズムが、夜の雰囲気を幻想的な魅力で包み込む。
今年、2010年上海万博推薦レストランの一つに挙げられた「透明思考」は、万博期間中に中国館でも開業することになっている。世界各地から上海を訪れる観光客すべての心の中に、「透明思考」の美食と瑠璃芸術の美が深く刻まれることだろう。
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