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  香港は効果的な節税役を演じる
文/フレンドリーグループ 代表取締役 劉芳榮

香港税務局の外資系企業に対する課税のリスクを分析する前に、まず香港の角度から、中国で税金を納付してから香港に送金した利益であるのか、それとも香港の会社を経由して3ヶ国貿易を行ったため香港に留まっている利益であるのかを判断する必要がある。というのは、この2種類の利益がもたらす香港での税務処理は全く異なっているからだ。

前者は香港の「香港外からの収入は課税対象としない」という原則に合致しているので、税務リスクがない。後者は法律上でグレーゾーンにあたるが、3ヶ国貿易の利益が香港外からもたらされていても、外資系企業が設立した香港会社がオフィスを保有し、従業員を雇用し、香港の諸社会福祉や税金を納付していて、さらに香港で貨物の輸送や転送などの物流活動を行っている場合には、香港で実質的な経営を行っていると認定される可能性があり、「香港外からの収入は課税対象としない」という規定が適用されない。

外資系企業にとって香港を節税役として機能させる際の最重要点は、香港現地における税務リスクではなく、中国当局が香港を親会社とする外資系企業に対して利益送金所得税の税率をどのように認定するかということである。具体的には、海外親会社が香港会社であれば自動的に5%という最低税率(通常の利益送金所得税率は10%)が適用されるのか、それとも5%税率が適用されるためには中国税務局が香港会社に対し特別な条件を設けているかというような議論がある。

2008年に実施された新「企業所得税法」、今年1月の「特別納税調整実施弁法」及び2月の81号公文書「税収協定における株式配当金約款の執行に係る問題に関する通知」の法令をまとめると、外資系企業が5%の利益送金所得税を節約するためには、持分を支配する海外株主を香港会社に変更すること以外に、以下の3つの条件を満たせば、5%の株式配当金税率が適用される可能性がある。
(1) 利益送金の前ではなく、利益の発生する年度末までに、海外親会社を香港会社に変更しなければならない。例えば、2008年末までに親会社を香港会社に変更していない外資系企業が、2009年3月になって変更手続きを終えた場合、今後2008年分の利益を海外へ送金すると10%の利益送金所得税を納付しなければない。

(2) 親会社を香港会社に変更してから12ヶ月経ていなければ5%の利益送金所得税率が適用されない。例えば同上のケースでは、2009年分の利益を海外へ送金する場合、2010年3月以前に送金すると10%の利益送金所得税の納付が必要となる。

(3) これは変化が多く最も厳しい条件である。中国税務局に海外親会社を香港会社に変更するための「合理的商業目的」を示す必要があり、それにより税務局の承認を得られると5%の税率が適用される。

しかし、中国税務局へ対する「合理的商業目的」の説明は、外資系企業が税務局に説明する移転価格と関連取引の原因、または関連取引価格の合理性と同様に標準回答が得にくいものである。つまり「合理的商業目的」があるか否かについては、企業が税務局を説得し承認を受ける十分な理由と説明資料が用意されているかどうかによって決まる。これは15%の低税率を享受する為に中国でハイテク企業認定の申請をすることと同様である。実際にハイテク企業であると認定されるために、沢山の資料を準備し中国科学委員会に申請することで、最終的には認可される可能性がでてくる。いずれにしても、企業所得税を25%から15%に下げるために、多数の企業は全力でハイテク企業の申請をしている。

現時点の中国税法では「合理的商業目的」の説明を条件としているが、香港でのオフィス設立やその他の実質的な条件を示してはいない。年間利益1000万元の外資系企業にとって5%の税務利益の享受は、海外株主に対して50万元の節税となる。3~5年、さらに10年後という長い期間で見ると、海外親会社を香港会社に変更するか否かを議論してみる価値があるのか、それとも節税のチャンスを放棄するかを考慮しなくてはならない。親会社を香港会社に変更するための諸費用と税務利益のどちらを選択するかは企業の判断であるが、多数の企業は親会社を香港会社に変更するよう努めるであろう。

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