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社長の話
備えあれば憂いなし
フレンドリーグループ 代表取締役 劉芳榮

先日東京から上海への帰路で、怖い光景を目の当たりにしました。浦東空港に到着後に機内検疫がありましたが、ある乗客に熱があり、検査のため機内の全乗客が4時間も飛行機から降りることが許されませんでした。私は2003年のSARSを思い出しました。あの頃は誰もがマスクをかけ、人と握手することさえも怖かった、再びそんな世の末を感じました。

中国には古くより「料敵従厳」という言葉があります。これは最悪の状況を想定してどんな物事にも対応するという態度のことです。この度の新型インフルエンザも同様で、確かに時間こそ取られてしまいましたが、それでも私はこのような措置に賛成です。全乗客の体温を測り、人々を待たせることになっても細心の注意を払う、これはまさしく私が当社の弁護士や会計士に常に言っていることなのです。彼らには「料敵従厳」を心得るように、つまり最新の法律や財務・税務に関する規定については過度の研究をしても構わないので、些細な問題を大きな問題の様にとらえて対応し、主観ですぐに大丈夫だと決めつけてしまわないように言っております。
 

中国でビジネスをする時に問題となるのは、この地では次々と新しい法律が出てくるということです。そしてたいてい主となる法律だけが公布され、実施にあたっての細則はなかなか出てきません。このような場合、企業はどうしたらいいのでしょうか。他者に先駆けて主となる法律に対応したらいいのか、それとも細則が出るのを待ちに待って、後の祭りになってしまってから行動するのでしょうか。

私はこういった問題も同様だと考えます。まずは最悪の事態を想定し、法律がはっきりしないうちは企業にもたらしうる最悪の状況を想定するべきです。それから、予めできる限りのことを準備しておけば良いのではないでしょうか。一例として、節税対策もこのような努力を行ったうえで、それでも何らかの理由で節税が叶わなかったとしても、そこで培った知識によって税務リスクは最小限に抑えられるはずです。

「料敵従厳」は中国の古語ではありますが、最悪のことを想定し最善を尽くしなさいと解釈できるでしょう。世界保健機関(WHO)も政府も、私たちの経営する企業も日々の仕事も全て同様です。空港内での一人ひとりの検温は時間の無駄だと怒らず、新型インフルエンザに対しても念には念を入れてください。なぜなら「料敵従厳」つまり「備えあれば憂いなし」こそがあるべき態度であるからです。




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