2008年1月1日から施行されている「労働契約法」は、無期限労働契約の締結に関するいくつかのケースを明確にしている。この中には、労働者が当該会社で10年間勤続したケース、会社が初めて労働契約制度を実行するケース、労働者が当該会社で10年間勤続し定年退職年齢まで10年未満のケースが含まれる。「労働契約法」の施行後、労使双方が2回続けて固定期限契約を結んだ、もしくは雇用者が労働者を雇用してから1年以上経つにも係らず、書面による契約をしていない場合はすべて無期限労働契約を結んだものとみなされる。さらに、従来は「当事者双方の同意」を前提としていたものを、「労働者の要請あるいは同意」へ変更された。つまり条件が合致すれば、雇用者の同意を問わず労働者の要求さえあれば無期限労働契約の締結ができるのだ。
多くの雇用者と労働者は「無期限労働契約」を「終身雇用制度」だと誤認している。そこで誤解を解くために、「労働契約法実施条例」では14の状況において、雇用者は法に基づいて無期限労働契約を含む契約の解除ができると規定した。具体的には、労働者が重大な契約違反をした場合、著しい職務上の怠慢や私利を謀る不正行為により多大な損害をもたらした場合、研修後または異動後も仕事に不適任な場合、そして企業の業種転換等の状況下では、雇用者は法に基づき労働契約の解除ができると定めている。これにより、無期限労働契約が「終身雇用制度」と同等だという誤解をある程度は解いたと言えるだろう。
これ以外には、上海市高級人民法院(高等裁判所)も滬高法[2009]73号公文書で、無期限労働契約に対して解釈を行い、以下の3つの状況が雇用者に有益な部分となった。
1.2回目の労働契約更新の満期後、雇用者はさらに更新をしなくても良い
2回目の労働契約更新の満期後、雇用者は契約の更新が義務付けられるのかという問題に対し、従来は普遍的に労働者側に決定権があると考えられた。しかし、上海市高級人民法院の見解では、2回目に更新された労働契約の満期後に、雇用者は契約を更新せず契約満期を以って終了し、補償金を支給する権利を有するとした。
2.労働契約を法律で規定された状況により延期したため、当該労働者が勤続満10年になった場合、当該契約を終了することができる
労働契約法では、産休、労災等の労働契約を解除できない状況下で契約満期を迎える場合は自動的に契約の延長がなされると定めている。上海市高級人民法院の見解では、この様な状況で契約延長された労働者が、契約満期の時点で勤続10年未満であり、職場復帰した時点で勤続年数が満10年に達する場合、雇用者は無期限労働契約の締結を拒否できる。なおこの場合、元の契約は契約満期をもって終了となる。
3.無期限労働契約の締結条件に合致していても、労働者が固定期限労働契約締結の要請や同意をした場合は、契約満期を以って終了とする
労働者は無期限労働契約の締結条件に合致している場合、法に基づき無期限労働契約の締結の要請や同意ができる。しかし、労使双方が合意の上で固定期限労働契約を締結した場合における契約の効力認定方法の問題に対し、上海高級人民法院の見解は、その様な固定期限労働契約は契約当事者双方に対し拘束力があり、契約満期をもって終了とされ、労働契約法の無期限労働契約の約款が適用されないとした。
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