中国工商銀行の海外事業が新たな展開を迎えた。工商銀行と東亜銀行は6月4日、カナダ東亜銀行と工商東亜ファイナンスホールディングスの株式売買で合意を達成したと発表した。
双方のサインした合意書によると、工商銀行は今後、8025万カナダドル(約70億8000万円)の代金を東亜銀行に支払い、カナダ東亜銀行の70%の株式を買収する。残りの30%の株式は東亜銀行が保有する。工商銀行はオプション(購入権)を持ち、取引完了から1年後、持ち株比率を80%にまで増やすことができる。東亜銀行はプットオプション(販売権)を持ち、取引完了から1年後、残りの株式を工商銀行に譲渡することができる。工商銀行は同時に、同行が保有している工商東亜の75%の株式を売却することに同意した。取引価格は、3億7200万香港ドル(約46億6000万円)となる。
この2つの株式取引は互いを前提条件としたものとなっている。取引が完了すれば、カナダ東亜銀行は、工商銀行と東亜銀行によって共同で運営・管理されることになる。工商東亜は、東亜銀行が全額出資する付属会社とな
る。
「今回の取引が合意にいたったことは双方にとってのウィンウィンの選択だ」と工商銀行の姜建清・董事長は語る。「カナダ東亜銀行の株式買収は、工商銀行にとって、カナダでの銀行運営の営業許可と顧客ソースを手に入れ、北米地区での業務とネットワークの開拓に向けた土台を固めることとなる。工商東亜の売却は、工商銀行の香港での機構配置と業務統合を進め、香港での投資銀行業務の発展に向けて業務資源を集中させることにつながる」
カナダ東亜銀行は、東亜銀行が全額出資する付属会社だ。昨年末時点で、総資産は5億5600万カナダドル、融資残高は4億4400万カナダドル、預金残高は4億8200万カナダドルとなっている。
工商東亜ファイナンスホールディングスは、工商銀行と東亜銀行がナットウェスト証券のアジア業務を1998年に買収して成立した。英領バージン諸島に登録され、工商銀行と東亜銀行がそれぞれ75%と25%の株式を持っている。工商東亜の純資産は08年末時点で4億5100万香港ドルとなっている。 |