外資系企業が上場を目指す時、中国のメインボードや創業ボード、もしくは自国の株式市場での上場の選択において、上場目的から言えば、衝突する問題は一切無いであろう。中国での上場の目的といえば、資金調達と高い収益の他、更に重要なのは中国国内市場を開拓することである。中国資本市場を通じて社名の知名度とブランド力を向上できるため、中国国内販売の展開に非常に有利となる。さらに親会社がすでに海外で上場している外資系企業にとっては、中国での上場は単に財務の角度から分析しても、グループ資金の為替リスクを分散するという機能を発揮することができる。
現在人民元はまだ中国当局の外貨規制下にあるが、将来は強力な貨幣になると見込まれているため、ドルと日本円の他、人民元を一部保有することは外資系企業にとって資金の為替リスクを軽減するために考慮しなければならないポイントである。
外資系企業の中国での上場は、自国での上場と完全に異なる制度があるだろう。まず、中国での株式上場に関する法律法規は中国現地の民営・国営企業のために制定されたものである。そのため外資系企業の投資・取引構造や経営パターンは中国での株式上場に関する法律法規に完全には合致していない。
例えば、中国は未だに投資性を持つ外資系企業(中国国内での持株会社)の中国上場を認めていない。また国有の土地などに係る法律問題は、中国A株上場のタブーとなり、政府に相談する余地さえ無いのである。
外資系企業が中国での上場を選択しても、自国での上場を選択しても、衝突することは無いはずだ、と先述したように、中国と自国での上場では目的が異なり、上場過程に関わる細則及び注意事項も大きく異なっている。さらに、中国と海外の資本市場では産業に対する好みも違うため、ハイテク産業やIT関連産業は一部の海外市場のほうにむしろ歓迎されているが、重工業や中国国内を主要市場とする業界に属する企業の場合は、中国での上場によってもたらされる利益と付加価値の方が海外で上場する場合よりも高いかもしれない。そのため、外資系企業にとって中国と自国の資本市場の選択は比較的簡単であり、自社の状況に相応しい場所を選択することになるであろう。
多くの外資系企業にとって、上場は来年度の計画ではなく、2年後、3年後もしくはさらに遠い話であるかもしれないが、これから中国国内外の資本市場がどのように変化していくかは誰にも分からない。したがって最も安全な上場計画は、中国の上場規定と自国の上場規定を同時に満たすパターンであろう。
つまり外資系企業はまず、中国と自国での上場における共通の手順を優先することができるのである。例えば先に上場方案、財務再編、法律障害の排除などに取り掛かり、取引額や利益が企業の目標に達してから、申請書類提出予定の1年前に中国や自国での上場に係る具体的な上場手続きを始めることができる。中国の場合、企業再編、プロジェクトの提案、地方証券監督管理委員会での登録などがこれに含まれる。上場することを決定したが上場場所を決めていない外資系企業にとっては、中国と自国での上場における共通の準備作業を進めることが一番良い選択肢になるだろう。 ( 訳/朱鶯/財務一部 )
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